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第二言語習得論とは?主な理論と英語学習成功者の5つの特徴

・「第二言語習得論」って何?

・そもそもどんな「理論」なの?

・「第二言語習得論」をどう活かせばいいの?

私は大学時代に「第二言語習得論」を専攻していました。
その知識を活かしてTOEIC960英語を話し仕事ができるようになりました。
 
(第二言語習得論で科学的に証明されている方法でTOEICと英語力を上げる方法はnoteに書いてみました!)
 
本記事では「第二言語習得」の主な主張を分かりやすくまとめました。
 
第二言語習得の最重要理論

① 英語学習で一番重要なのは「インプット」

 

② 「英会話で学習」は超非科学的

 

③ 子供より大人の方が習得が早い項目がある

 

④ 「暗記型」「文法処理型」「音声型」

 

⑤ 「動機づけ」と「学習方法」は変えられる

「第二言語習得論」とは?

「第二言語習得」というと「母語ではない言葉を第二言語として習得すること」と一言で終わってしまうのです一応定義はあります。
 

第二言語習得に科学的なアプローチでどのように言語を習得するべきなのかについて研究されている分野

 
海外ではこの「第二言語習得論」は “Second Language Acquisition”と呼ばれています。
その頭文字をとってSLAと略されることも多いです。
もちろん「第二言語」なので、英語、スペイン語、ドイツ語、フランス語、イタリア語など様々な言語があります。
ただ、世界中で話されていている点から「第二言語習得論」では主に英語がメインとして取り扱われています。
日本のSLAに関する書籍や論文を読んでもやはり「英語」を第二言語として習得することを前提に研究されたものなどがほとんどです。
このSLAは最近では複数の英会話スクールで効率的なメソッドとして取り入れられています。
しかし、まだ「第二言語習得論」や「SLA」という言葉に馴染みのある日本人は少ないです。
科学的アプローチで研究がされているとはいっても、いったいどのような学習が効率的だといわれているのかはとても気になるところだと思います。
そこで、以下では「第二言語習得論」で主に主張されている2つの事柄に関して解説していきたいと思います。
第二言語習得に基づいてどのように学習を進めればよいか知りたい方は以下の記事をチェックしてみてください!

https://eigoprogress.com/beginner-to-nativelevel-strategy/

「第二言語習得論」での主な主張1: 「インプット」の重要性

インプット・アウトプットに関しては様々な研究がなされています。
また、そのどちらをどの程度使うべきなのかなどについてたくさん議論もなされています。
ただ、第二言語習得論の世界において「インプットが大切である」という主張に異論を唱えるものはいません。
つまり、「インプットは言語習得員おいて究極的に必要なものだ」と考えられています。
よく英語が話せるようになりたいという理由で英会話スクールにすぐ通う人が日本人には多いです。
ただ、それは第二言語習得論の観点からするとあまり効果的とはいえません。
なぜなら、インプットができない段階でアウトプットをしても効果はかなり薄いからです。
英語学習におけるインプットは、サッカーに例えとします。
ドリブル練習やパス練習などの基礎的なものです。
アウトプットは実際に試合のようなものです。
当然基本的な練習をしていなければ試合に勝てるわけがありません。
どこを改善すればよいかというのも多すぎてあまり試合をする意味がありません。
英語学習も同じで、いきなり英会話からはじめても話せるわけはないです。
その会話から改善すべきことも多すぎて改善の目処がたちません。
そもそも英会話の場合は相手の言っていることを聞くことがいちばん大切です。
なので、なのでリスニング力(=インプット力)がなければどうにもなりません。
だからこそインプットなしに英会話の練習をするというのはみなさんが考えている以上にナンセンスなのです。
まずは、インプット力である「リーディング」や特に「リスニング」を鍛える必要があるわけです。

https://eigoprogress.com/english-reading-preparation/

https://eigoprogress.com/listening-ability/

そこを鍛えてからアウトプットの練習をしたほうが数倍効果があります。
第二言語習得論には様々なアプローチがありますが、「インプットの重要性」に関しては、第二言語習得論の中でも核となる重要なことです。

「第二言語習得論」での主な主張2: 外国語学習で成功する5つの特徴

SLA研究では、ある程度外国語学習に成功する人の特徴に関して研究され解明されてきています。
『英語教師のための第二言語習得論入門』では以下の5つの特徴が外国語学習の成功しやすいひとの特徴として記載されています。
① 若い ② 母語が学習言語対象に似ている ③ 外国語学習適正が高い ④ 動機づけが強い ⑤ 学習法が効果的である 

① 若い

若いほど発音などはより身につけられるということです。
ただ、言語習得全般に関していえば、若くなければ言語が習得できないかというとそういうわけではありません。
発音などに関してはより若いほうが習得しやすいと言われています。
しかし、文法などに関してはより認知力の高い成人のほうが習得が早いとも言われています。

② 母語が学習言語対象に似ている

自分が習得したい言語が自分の母語に近ければ近いほどその言語が習得しやすくなるということです。
例えば、英語を習得したい言語としたときに、日本語はスペイン語などの言語に比べて英語に言語的に似ていません。
その点において日本人にとって英語を習得することはより難しいといえるのです。
ただ、必ずしも言語が似ているとメリットだけあるかというとそういうわけでもないと言われています。

③ 外国語学習適正が高い

外国語を学ぶ上で重要な記憶力や文法処理能力などがより高い人が言語を習得しやすいということです。
主な外国語習得の適正としては以下の3つのものがあると考えられています。
英語習得に大切な適正

① 暗記能力が高い

② 音声の認識能力が高い

③ 文法を理解し処理する認知力が高い

これまでたくさんの人を指導してきましたがこの3つは超重要です。
全て大事ですが、暗記能力がないと言語習得は正直話しになりません。
なので、英単語暗記に少し不安がある方は以下の記事をチェックされてください。

https://eigoprogress.com/sla-four-ways-vocabulary/

④ 動機づけが高い

第二言語を習得するにあたって、学習の動機が強ければ強い人ほど学習に取り組むということです。
学習者の勉強するやる気が低ければ第二言語習得を成功させることは難しいといわざるをえません。

https://eigoprogress.com/motivation-eigo/

⑤ 学習法が効果的である 

第二言語習得をするにあたって学習方法が自分に適したものであればあるほど言語を習得しやすいということです。
人によって、ビジュアルを使って学習したほうが効果的という人もいますし、音から学習したほうが効果的にという人もいます。
つまり、絶対的な学習方法はなく、個々人が自分の特徴を活かしそれにあった学習法を実践していくほうが効果的であるということです。
私自身は大学で第二言語習得を専攻し、その知識を活かしこれまで何百人もの生徒を指導してきました。
現在(2021年3月現在)、その知識と経験をフルに活用し、特別に英語コーチングを無料で提供しています。ご興味のある方は以下からチェックされてみてください😊
https://note.com/eigoprogress/n/n651faa7b142f
 
【参照】『英語教師のための第二言語習得論入門』著者: 白井恭弥

「第二言語習得論」に関するオススメ書籍

以上ここまで、第二言語習得論とは何かということ及び研究で分かってきていることを紹介してきました。
第二言語習得論といっても奥はかなり深いですし、本記事で紹介した内容も第二言語習得のほんの一部にすぎません。
第二言語習得論に関しては未だにあまり知られていませんが、日本でも最近では少しは有名になってきてたくさんの書籍が販売されています。
その中でも第二言語習得論のに関しての良書を紹介していきたいと思います。
本書では、第二言語習得論の基礎的なことが述べられています。
また、小学校、中学校、高校、大学、社会人の英語に関して第二言語習得の観点からどのような指導や学習をしていくべきかも記載されています。
よりアカデミックな内容に関して学びたい方にオススメです。